1978年以降はミキサーが一般的になったので、さすがに曲と曲で間が空くことはなりましたが、あいかわらず「しゃべり中心」でつなぎました。
何をしゃべっていたかというとこれもパターンがあって
1. 曲名
2. アーチスト名と過去のヒット曲 「○○のヒットでお馴染み ××のニューシングル」みたいな感じ
3. 収録されているアルバム名とレコード会社名
4. ビルボードヒットチャートのランク順位 「R&Bチャート赤丸急上昇中」とか
5. プロデューサー名
6. 店内システムの紹介 リクエスト方法・フリードリンクフリーフード等
7. DJの自己紹介
8. 盛り上げ用の相槌 「手拍子!」「歌ってね」「ショーターイム!」「フーフー」等
ディスコのDJは、ダンスフロアを盛上げてナンボの世界だから、いくら曲をたくさん知っていたとしても、トーク(MC)ができないDJは失格でした。
しかし、1979年夏以降は様相が一変。
しゃべり無しのツナギ重視スタイルに変わりました。
この頃よりBPMが必要不可欠になり、同じような速さや曲調の曲を、ミキサーとターンテーブルを巧みに操って、きれいにかぶせていくスタイルが主流になりました。
客はどこで曲が変わったのかわかならい。
ツナギがうまいと「おっ!!」とどよめきが起こる。 逆にミエミエのツナギや、不自然なツナギだと「下手クソ」ってことでブーイングが起きる。
MCが上手いだけのDJは淘汰され、「リズム感・センス・曲の知識」の三拍子が備わったDJが台頭しました。
また、ツナギテクニックそのものも今の高性能ターンテーブルとは違い、トルクが弱い機材が多々あったので、拍数を逆算してスイッチをオンにしたり指先でターンテーブルを押したりする必要がありました。
音源がアナログのためイントロと間奏でBPMが違うこともあり、つないでいる最中に両方のレコードの中央部分を押したり引いたりしてテンポを微調整する必要があり、「手先の器用さ」も重要でした。
このツナギは「ワンパターン」の選曲に陥りやすいものです。
同じようなBPMの同じような曲をつなげていれば、確かに自然だし綺麗だし聴いている分には心地よいが、踊っている人は変化がないと飽きますよね。
だからずーーーっと延々と綺麗につないでいるだけは脳がなく、メリハリが必要になってきます。
BPMも少しづつピッチを上げて「より速めの曲」へシフトしていくとか、たまにカットイン+MCで曲調を変えるとか、そういう客を飽きさせないセンスの有無が、一流・二流の分かれ目でした。